CRM導入のメリット
顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)の最大化
CRM導入の最大メリットは、既存顧客との優良な関係の維持による、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)の最大化にあります。
企業と顧客の関係は、一度の取引だけで終わってしまうものではありません。
製品・サービスを気に入ったならば再購入・再契約をしてもらえますし、企業やブランド自体を気に入ってもらえれば、別の製品・サービスを購入・契約する際の候補になります。また、購入後のメンテナンスや修理など、継続的な利用がある場合もあります。
CRMを導入することで、顧客に必要なタイミングで必要な働きかけをすることができます。
例えば自動車のディーラーでは、自動車の販売だけでなく、車検や修理も売上を構成する大切な要素です。
しかし、車検や修理は自動車を購入した店舗以外でもできるので、営業が販売したきりでは、顧客との関係を維持できません。
そこで、販売した自動車の車検までの期間を把握しておき、車検が近づいている顧客にはメールで自社の車検サービスを告知して、利用を促すといった働きかけが必要になりなります。
購入から車検までの期間は自動車によって異なりますし、車検のプランも車種によって異なります。CRMによる営業担当者のサポートは、すべての顧客に対してベストなタイミングでフォローや提案をするために効果を発揮します。
情報共有・連携強化
CRMの機能や蓄積される顧客情報は、社内全体で活用することができます。
マーケティング部門や営業部門での活用はもちろん、カスタマーサポート部門やカスタマーサクセスチームで活用することで、問い合わせ対応の品質を向上させることができます。
例えば、カスタマーサポート部門に購入後の製品・サービスに関する問い合わせがあった際、CTI(Computer Telephony Integration System)という機能によって、PCと電話を連携させることで、問い合わせがあった電話番号と共通する顧客データを探し出し、対応担当者のPCに表示させることができます。
問い合わせを受けるのと同時に対応担当者が顧客情報を把握できれば、適切な対応をよりスムーズに行うことができます
このように、顧客情報を利用するあらゆる部門の社員が、最新の顧客情報を容易に確認できるようになることは、企業にとってCRMを導入する大きなメリットといえます。
顧客情報の分析
CRMが収集する顧客情報は、顧客一人一人への対応を最適なものにするだけでなく、新たなマーケティング戦略の立案にも活用されます。
顧客の年齢や性別、購入履歴、実施された施策などの顧客情報が、大量に蓄積されることで、顧客全体の傾向を分析することができます。
こうした全体の傾向分析は、どのような属性の顧客に、どのような施策を行えば効果的かを判断できるため、今後のマーケティング戦略の立案に大いに貢献します。
例えば、学習塾の卒業生をCRMでデータベース化して、選択したカリキュラムと進路の相関性を分析したり、不動産会社における過去の取引情報から商圏を特定(引越し前の現住所をCRMの項目として設定する)して費用対効果が高いポスティング対象エリアを選定したり、といった活用が考えられます。