営業KPIがあることで、担当者やチームの課題がどこにあるかを発見しやすくなります。

どの組織でも営業担当者ごとに月間の売上目標は定められるものですが、それを有効商談数やテレアポの架電数まで落とし込んでいる組織は少ないのでは無いでしょうか。

売上目標だけでは「達成した、しなかった」の議論に終始してしまい、未達の社員に対する上長からのアドバイスも具体的なものになりません。

しかし、細かいKPIの設定により目標が行動レベルにまで落とし込まれていれば、何が未達の要因だったのかが一目瞭然となり、日時レベルで営業担当者の行動を正しく管理できるようになります。

これは、営業チームのマネージャーからの指導だけに限ったことではありません。

担当者自身も自分がやるべき仕事と、達成できていない部分を把握できるようになるので、自らの業務の改善活動の方向性を定めやすくなります。

KPIとは

KPIは、「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」と訳されます。目標やノルマを達成するために押さえるべき「中間目標」といえるもので、営業やマーケティング活動で使われることが多い単語です。

例えば、「1年で製品の売上げを1.5倍にする」という目標だけが営業チームにあったとしても、そのために具体的に誰が何をすればいいのかは見えてきません。

そこで、役に立つのがKPIの設定です。

売上げを1年で1.5倍にするための「毎月の成長目標」や、月間の目標を達成するために必要な「商談数」、商談につなげるために獲得する必要のある「リードの数」、必要なリードを獲得するために各担当者がこなすべき「テレアポの回数」など、少しずつ中間目標としてKPIを定めることで、目標達成の具体的な道筋が見えてくるのです。

 

KPIとKGI

KPIと似た意味の言葉にKGIというものがあります。

KGIは「Key Goal Indicator」の略で「経営目標達成指標」と訳されます。企業のビジネスにおける、最終的な目標を達成するために必要な指標のことです。

KPIはKGIを達成するための、具体的な目標として設定するものなので、KPIを定める際には、まず、前提となるKGIを定める必要があります。多くの場合、営業におけるKGIは「売上」となります。

営業KPIを設定するメリット

営業全体に統一した指針を作ることができる

KPIの設定は、営業部門全体に統一した指針ができることを意味します。

営業部門のマネージャーであれば、同じ指標を追うことで各営業担当者の評価を平等に行えるようになります。

また、担当者であれば、行動指針が不確定なままの状態よりもモチベーションの向上が期待できますし、何をどこまですれば良いかが明確になることで、タスク管理も行いやすくなります。

ボトルネックの発見・改善がしやすくなる

営業KPIがあることで、担当者やチームの課題がどこにあるかを発見しやすくなります。

どの組織でも営業担当者ごとに月間の売上目標は定められるものですが、それを有効商談数やテレアポの架電数まで落とし込んでいる組織は少ないのでは無いでしょうか。

売上目標だけでは「達成した、しなかった」の議論に終始してしまい、未達の社員に対する上長からのアドバイスも具体的なものになりません。

しかし、細かいKPIの設定により目標が行動レベルにまで落とし込まれていれば、何が未達の要因だったのかが一目瞭然となり、日時レベルで営業担当者の行動を正しく管理できるようになります。

これは、営業チームのマネージャーからの指導だけに限ったことではありません。

担当者自身も自分がやるべき仕事と、達成できていない部分を把握できるようになるので、自らの業務の改善活動の方向性を定めやすくなります。

代表的な10個の営業KPI

指標
概要

新規リード獲得数

広告や、各種販売活動やマーケティング活動により獲得し、営業チームに話渡される新規のリード数

有望見込み客数・有望見込み客転換率

新規リードに対する営業活動により、成約確度が高いとみなされた見込み顧客。また新規リードからの転換率

営業案件数

営業担当者が個人で抱えている案件数

営業機会数(訪問件数)

成約が見込める営業機会の数

新規顧客数

成約に至った新規顧客の数

成約率

成約率=成約件数÷営業件数

顧客単価

顧客1人が1回の契約によって支払う平均額

新規顧客・既存顧客売上

既存の顧客または新規の顧客から獲得した売上

解約件数

既存顧客の解約件数

リードタイム

営業担当者のリードとの初接触から顧客化までに要した日数

営業KPI設定時の注意点

 

KPIは営業担当者が動かせる数値を設定する

KPIは、営業担当者の活動によって変化できるものであるべきです。

例えば、アポイント数や訪問数、受注率は営業担当者の工夫や努力で変化させられますが、商品の利益率には手を付けることができません。

当たり前のことではありますが、KGIを達成するために機械的にKPIを設定しようとするとこうしたことも起こり得ますので注意が必要です。

企業や戦略、営業チームの特徴によってKPIは異なる

先に紹介した通り、営業のKPIに定められる指標は数多くあります。

また、業界が違えば営業手法も異なりますし、企業や戦略、営業チームの特徴によっても目標にすべき指標は違います。

例えば、見積もり依頼を出した顧客の成約率が高く、80%以上ある営業チームがあったとします。このチームが成約率を維持することはたしかに重要ですが、売上げを上げるためのKPIとして「見積もり依頼後の成約率を90%にする」と定めるのは適切ではありません。

既に見積もり依頼後の成約率は十分に高いのですから、「見積もり依頼の件数を10%増加させる」というようなKPIの設定が妥当でしょう。

このように、適切なKPIというのは状況によって異なるものです。KPIは、自分の会社や営業チームに適したものを設定しましょう。

KPIの数は最低限に絞る

自社にとって有効な指標を見極めることができると、その全てをKPIとして設定してしまいたくなるものです。

しかし、KPIが多すぎると、営業担当者はどの指標を追っていいのか分からなくなってしまいます。営業担当者が個人で重要だと思う指標を判断して活動してしまい、チームの連携が取れなくなるといったとも起こり得ます。

まずは必要最低限だけ設定して、運用しながら適宜見直すようにしましょう。

営業KPI導入の課題は計測の煩雑さ

営業KPIは、各営業担当者の成果や行動を日次で収集し、集計することで計測されます。

したがって営業担当者は毎日報告をあげることになり、KPIが複数設定されている場合などは業務負荷となりかねません。

また、上長はそれらの集計に時間を取られることになります。

最初の内はExcelやスプレッドシートで管理するのが一般的ですが、組織が大きくなったり、計測するKPIの種類が増加したりするにつれ、この管理業務が担当者・上長双方の負担となります。

そもそも業績が悪い営業担当者にとってKPI進捗の入力はストレス因子で、なかなか積極的になりにくいのが実情です。

そこで活躍するのがCRM /SFA です。

CRM/SFAは顧客管理システムとして導入されます。CRM/SFAの狙いは、顧客に対するアプローチ状況や営業パイプラインの状態などの管理を容易にし、営業担当者の業務負荷を軽減することです。

そして、多くのCRM/SFAには、営業担当者が入力した顧客や商談の状況を自動で集計し、KPIの進捗を可視化する機能が備わっています。

つまり、営業担当者が業務管理の一環としてCRM/SFAを活用するだけで、自動的にKPIの進捗が把握できるようになるのです。

カスタマイズ性の高いCRM/SFAであれば、組織や商材に合わせたパイプラインの設定が可能で、「新規リード獲得数」や「平均顧客単価」などの指標を計測したり、売上予測を算出したりすることも可能です。

営業KPIの計測・集計を容易にする顧客管理システム Freshsales

様々な営業指標を自動で算出するレポート機能

Freshsalesは、リードタイムやリード獲得数、収益率など、様々な指標を自動で計測できるレポート機能を備えています。

複数の指標を同時に計測することも容易で、煩雑な計測作業をすべて自動で行えます。

また、レポートは、製品、営業チーム、担当者ごとなど集計方法を切り替えて詳細に表示可能で、各営業担当者はレポートをいつでも確認することができます。そのため、チームや個人が課題を認識し、業務を改善するための方向性を示す役割も果たします。

営業担当者の活動を詳細にレポート 営業担当者の活動を詳細にレポート

カスタマイズ可能なパイプライン管理機能

Freshsalesのパイプライン管理機能では、「問合せ」→「ヒアリング」→「新規提案」→「見積り」→「クロージング」→「成約」など、営業活動のフェーズ分けを行い、フェーズごとの推移率を記録・分析します。

各フェーズでの推移率を分析することで、自社の営業プロセスの長所と短所を発見できます。

また、最大10個のパイプラインをカスタマイズして設定できるため、複数の営業チームがある場合や、さまざまな製品を販売する場合、不動産や学習塾のように販路が特殊な場合など、あらゆる状況で活用可能です。

 

複数のパイプラインを管理 複数のパイプラインを管理